不妊症漢方専門講座10周年に参加してきました。
場所は銀座フェニックスプラザ
西洋医学については、元聖路加病院 産婦人科部長、佐藤考道先生による講演です。
AMHについてや新型出生前診断について、女性の年齢による、妊娠率・出産率・流産率など、膨大な統計データから何が正しい情報なのかを勉強します。
昨年話題になった「NHK特集 卵子の老化」から”卵子は老化する”いう言葉が一般的なってきてきました。
35歳以上は妊娠率が低下するとよく言われていますが、実際の統計データからですと30歳を過ぎたあたりから、緩やかに妊娠・出産の可能性は低下してくるということでした。
また、体外受精、顕微授精などのART(高度生殖医療)での出生児数は、2000年では、1.00%にでしたが、2010年では、2.70%になってきているというデータが出てきているそうです。
実に30人に1人はIVF(体外受精)などにより産まれている計算で、1クラスに1人です。最近漢方相談をして、10年前に比べると、体外受精に対するハードルも大分下がってきたように感じます。
しかし、最新の医療の技術をもってしても、46歳での出産率は、0.3%という厳しい数字です。1000人のうちわずか3人という現実です。佐藤先生によると、この数字も偏り(バイアス)があり、チャレンジしている1000人もホルモン値などの良い方ということです。
0.3%というと現実的には非常に難しい数字ではありますが、そのことを踏まえると、漢方薬局における40歳以上の妊娠・出産率は非常に優秀だと思っています。
漢方に関しては、南京中医薬大学付属病院 生殖医学科の談勇教授です。
談勇先生は、不妊症周期療法を最初に考案された、国医・夏桂成先生とご一緒に研究されています。周期療法の応用、中国での最新治療をしっかりと勉強してきました。
中医学では長い歴史の中で、「不妊症」に対し、臨床が繰り返され、不妊症をどのように克服するかの研究が進められてきました。不妊症専門講座も10年経ちましたが、全国の先生方の経験をもとに日々試行錯誤されてきました。
先人達の偉業をしっかりと後世に伝えていければと思っています。
下は珍しい排卵直後の写真です。
このようにポコッと良い卵が出てきてくれるよう、少しでも良い処方が出せるよう、これからも一生懸命勉強していきたいと改めて思いました。