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胃下垂(内臓下垂)と漢方について

胃下垂(内臓下垂)とは…?

胃下垂内臓下垂の中で一番代表的な疾患である「胃下垂」を例に挙げてみましょう。

「日本女性のおよそ1/3が胃下垂である」なんていうデータもあるように、内臓下垂は日本人にかなり多いようです。

胃下垂とは胃全体が正常な位置より下の方にある状態をいい、食後、胃がその重さに耐え切れず垂れ下がってしまいます。 自覚症状はほとんどありません。

胃下垂から胃アトニーと呼ばれる病気になると、胃の蠕動運動や消化活動が弱まり、食欲不振・胃もたれ・膨満感・ 便秘などの症状が見られます。また、胃酸が多く分泌され胃酸過多になります。

西洋医学には、胃下垂状態を治す完全な治療法は今のところないようです。では、漢方的に内臓下垂を考えてみましょう。

胃下垂を漢方で考えると??

胃下垂や内臓下垂など、内臓が正常よりも垂れ下がってしまっている状態を中医学的には“脾虚下陥”(ひきょげかん)や“中気下陥”(ちゅうきかかん)といいます。

  • □ 疲れやすい、だるい
  • □ 食後に眠くなりやすい
  • □ 胃腸が弱い
  • □ 食後、下腹部が膨らむ
  • □ 便秘や下痢

などの症状も伴うことが多いです。

内臓下垂は本来、内臓を固定する力が低下しているので、胃下垂・脱腸・脱肛・子宮脱・習慣性流産などの原因になることがあります。

また、下垂した臓器は必ず他の臓器を圧迫しています。それにより、腎臓や卵巣、精巣などにも負担がかかり、腰痛や、子宮内膜症・ 子宮筋腫・遊走腎の原因になることもあります。

胃下垂と内臓下垂:漢方では…??

持ち上げるのを助けるという「益気昇提」(えっきしょうてい)という考えの処方を用います。

この漢方薬は疲れやすい・手足が重だるいなどの“気(エネルギー)“が不足した状態=気虚(ききょ)の“気” を補うだけでなく、中に含まれる 「黄耆(おうぎ)」「柴胡(さいこ)」「升麻(しょうま)」 などの生薬が清らかな気を上に持ち上げる作用を持っています。

日本人は元来「脾(消化器官)」が弱いため、食後に眠くなってしまう人が多いのですが、 それは頭まで気が昇っていかないために起きている事が多いのです。

大学の講義で昼食後に、「黄耆(おうぎ)」 のお茶を何も言わず飲んでもらったところ、いつもより寝る生徒さんが減ったという逸話もあるぐらいです。

漢方薬は症状や体質によって変わってきますので、詳しくは漢方薬局まで、ご相談ください。

今井 太郎(漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師)

執筆者:今井 太郎

漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師

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