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起立性調節障害と漢方について

起立性調節障害

小学生から高校生頃の思春期にあたる時期に発症しやすい起立性調節障害。男性よりも女性に起こりやすく、中学生の約1〜2割が発症していると言われています。

人間は横になった状態から体を起こすと、重力に従って下半身に血液が溜まりやすくなります。

通常は、自律神経系に含まれる交感神経(興奮時に活動)が働くことで血管の収縮と心拍数の増加が起こり、下半身に溜まった血液が上部へと推し進められて全身に循環していきます。

ですが、起立性調節障害の人は自律神経の調節が乱れ、下半身に溜まった血液を巡らせることが困難となり、頭部付近の血液が不足してしまいます。

主な要因としては、急激な体の成長に体の機能がついていけなくなることで生じることが多いです。

また、入学・進学・転入など環境の変化、学校や友人との人間関係、勉学におけるストレス、季節の変化(特に春、秋頃)などが原因になることもあります。

  • ・怠けているわけではないのに体がだるく、朝起きづらい
  • ・朝起きると頭痛や吐き気がする
  • ・午後になるにつれて段々と元気になってくる
  • ・調子よく動ける日と、動けない日がある
  • ・長時間立ち続けると気分が悪くなる

このような症状が続く場合は、一度漢方薬を試してみてはいかがでしょうか?

起立性調節障害の中医学的な考え方

漢方薬はおつらい症状や体質にあわせてお出しすることになりますが、その中でもよく見られることの多い例をいくつか紹介します。

① 痰飲(たんいん)

水分代謝が悪くなり、余分な水が存在している状態を“痰飲”といいます。

通常はスムーズに滞りなく流れていることが好ましいのですが、水の偏りが生まれると不調を引き起こすことがあります。

頭部に溜まるとめまいやふらつき、頭痛、耳鳴りなど、胃腸に溜まると食欲の低下、吐き気、軟便・下痢などがあらわれやすくなります。

また、水は重い性質を持ち、頑固でなかなか移動しない物質であると考えられています。そのため、過剰な水分が体のだるさ、重さ、浮腫、倦怠感などへと繋がることがあります。

漢方薬は水の流れをスムーズにして偏りを分散させたり、過剰な水分を排出させたりするようなものを用いて調節していきます。

一般的には苓桂朮甘湯、五苓散、半夏白朮天麻湯などを用いることが多いです。

② 気血両虚(きけつりょうきょ)

体を動かすエネルギーの“気”と酸素や栄養を含みきちんと働いている血液の“血”が不足している状態を“気血両虚”といいます。

気が不足すると疲れやすい、だるい、風邪をひきやすい、呼吸が浅い、食が細い血が不足すると貧血、立ちくらみ、めまい、動悸、不眠、不安感、といった症状をともないやすくなります。

気・血は主に食事や睡眠から作られていきます。しかし、体重を気にして食事の量が少なかったり、ご飯の代わりにデザートでお腹を満たしたり、テレビやゲームに夢中で夜ふかしが続いたりすると気・血が十分に作られず、不足しがちになることがあります。

また、成長期による急な体の変化で気・血を過剰に消耗し、不足気味となることもあります。

漢方薬は気・血を補ってあげるような婦宝当帰膠、十全大補湯、人参養栄湯などを用いることが多いです。

③ 脾虚(ひきょ)

“脾”は主に胃腸の消化吸収と水分代謝を担う五臓になります。

食事から“気”・“血”を作り出すとともに、水はけを良くして過剰な水分をさばいたり、水の偏りを整えたりするような働きがあります。

しかし冷たいもの、脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものを摂りすぎると胃腸の働きが弱くなり、食欲不振、胃もたれ、胃痛、軟便・下痢、お腹の膨満感といった症状が出やすくなります。

このように胃腸が弱い状態を“脾虚”といいます。

脾の働きが低下すると①痰飲や②気血両虚に繋がることがあるので、根本的には胃腸を整え、労ってあげることが大切になります。

漢方薬は胃腸を補うような健脾散、健胃顆粒、補中益気湯、六君子湯、(小建中湯)を用いることが多いです。

④ 気滞(きたい)

体を動かすエネルギーの“気”の巡りが悪くなって、つまりが生じている状態を“気滞”といいます。

試験や発表などの緊張する場面、人間関係、環境の変化などが影響して、精神的なストレスがかかるときに生じやすくなります。

具体的な症状としては、緊張したときにお腹が痛くなる、吐き気がする、ガスやゲップが増える、頭痛が起こるなどがあります。

自律神経系は中医学でいう五臓の“肝”と関わりが深く、肝の働きが低下すると気の流れも悪くなります。

そのため、気の働きをスムーズにしてリラックスさせてあげるような逍遥散、加味逍遙散、開気丸、半夏厚朴湯などを用いることが多いです。

起立性調節障害と漢方のまとめ

起立性調節障害は、それまで活発に生活していた人でも急に発症することがあります。

今までできていたことが(思い通りに)できなくなることはとてもつらく、無理をしすぎるとより悪化してしまうことがあります。

また、残念ながら周りの人からの理解が浅く、さぼりや仮病、気持ちの問題などといわれのない言葉を受けることもあります。

西洋医学では血圧を上げるミドドリン塩酸塩(メトリジン)、アメジニウムメチル塩酸塩(リズミック)などを用いて、起床直後に起こる血圧の低下の軽減を促します。

それでもなかなか改善がみられない場合は、一度漢方相談をなさってみてはいかがでしょうか?

今井 太郎(漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師)

執筆者:今井 太郎

漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師

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