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機能性ディスペプシアと漢方について

胃カメラ(内視鏡検査)や腹部エコー、CT、血液検査など様々な検査を行っても、潰瘍や炎症など物理的な異常が見られないにも関わらず、胃腸の不快感が長く続いている状態を「機能性ディスペプシア(FD)」といいます。

  • ・胃もたれや吐き気などの不快感が続いている
  • ・胃が痛くなりやすい
  • ・みぞおちのあたりに痛みや灼熱感がある
  • ・食事を1人前食べることができない
  • ・食べるとすぐお腹がいっぱいになる
  • ・膨満感がでやすい

機能性ディスペプシアの方は、このような症状を訴えることが多いです。

また、メンタル面との関わりが深く、心身のストレスや過労から生じていることもあります。

漢方では胃腸を補って働きを整えたり、心身をリラックスさせて緊張をほぐしたりすることで症状の緩和を図っていきます。

機能性ディスペプシアの西洋医学的な治療法とは?

機能性ディスペプシアが起こる原因としては、以下のようなものが考えられています。

  • ・胃の動きが悪い(胃の運動障害)
  • ・食べ物が入ってきたことに過剰に反応する(胃や十二指腸の知覚過敏)
  • ・食べ物が胃から排出されるのが遅い(食べ物の排出異常)
  • ・胃が拡張して食べ物を受けつける能力が弱い(胃腸の貯留障害)
  • ・ストレスや緊張などの心理的な要因(脳腸相関)

病院で処方されるお薬としては、胃の動きを活発にするアコファイドやガスモチン、プリンペラン、ナウゼリンなどと、胃酸の分泌を抑えるタケプロン、タケキャブなどのプロトンポンプ阻害薬(PPI)やガスターなどのH2受容体拮抗薬があります。

それでも改善が見られない場合は、メンタル面にアプローチする抗うつ薬や抗不安薬などが選択されます。

また、ヘリコバクター・ピロリに感染している場合は、ピロリ菌を除去することでディスペプシアの症状が改善することがあります。

機能性ディスペプシアを中医学的に考えると?

脾胃

中医学では消化器系の働きを五臓の「脾」と六腑の「胃」が担っています。

脾は食事から栄養や水分を吸収して全身に運ぶ働きを、胃は食事の消化を行っています。

脾胃の働きが弱まると、食欲がわかない、空腹感がない、すぐ満腹になる、胃痛、胃もたれ、お腹の張り、軟便・下痢、疲れやすい、だるいといった症状があらわれやすくなります。

このような状態を中医学では「脾気虚」や「脾胃虚弱」といいます。

食事から栄養とエネルギーが作り出しにくくなると、胃腸を働かせるエネルギーすらも弱くなるため、脾胃の働きも回復しにくくなります。

脾胃は「肥甘厚味(ひかんこうみ)」と呼ばれる脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものによって負担がかかりやすくなります。

また、冷たいものや生ものなどでお腹が冷えると胃腸の動きが鈍くなるだけでなく、消化酵素の活性を弱めてしまいます。

ヒトの体内で働く酵素の至適温度は35〜40℃と言われており、温度が10℃下がることで活性が約50%も弱くなります。

そのため、氷の入った飲み物やアイスクリーム、お刺身やサラダなどの生もの、冷蔵庫から出してすぐの食品などを摂りすぎるのは避けたほうが好ましいです。

漢方薬は胃腸を補ったり、冷えた胃腸を温めて動きを回復させてあげたり、逆に胃腸で発生した過剰な熱を冷まして炎症を抑えたりしながら調子を整えてあげるような六君子湯、半夏瀉心湯、茯苓飲、人参湯、補中益気湯、健胃顆粒、健脾散などを用いて様子を見ていきます。

脾胃の働きが弱くなることで水分代謝が悪くなり、水の偏りや老廃物が溜まっている状態を「痰湿(たんしつ)」といいます。

このような場合は、水のめぐりをスムーズにして過剰な水を排出させたり、溜まった老廃物を取り除いたりするような漢方薬を用います。

食べ物がなかなか消化されず、いつまでも残っているような感覚がある場合は、消化を助けるような山査子などを併用することがあります。

中医学であらわされる「肝」は、「気(エネルギー)」を全身にめぐらせたり、「血(栄養)」を蓄えることで心身を安定させたりする働きを持ち、主に自律神経系を担っていると考えられています。

肝はとくにプレッシャーを受けやすい五臓であり、肝が傷つけられると他の臓腑にまで影響が及ぼされてしまいます。

例えば、大事な試験当日に腹痛や下痢を起こしたことはありませんか?夏場、気温の高い屋外から涼しい室内に入った時にお腹がキュルキュル鳴り出したことはありませんか?

このように仕事や緊張する場面、人間関係のストレス、環境の変化、気温差、天候の変化が肝にプレッシャーを与え、脾胃が傷つけられて消化器系に影響が出ている状態になります。

この状態を「肝気犯胃(かんきはいい)」や「肝脾不和(かんぴふわ)」と言います。

漢方薬は気のめぐりを良くして、胃腸をリラックスさせてあげるような開気丸、逍遥散、加味逍遙散、四逆散などを用いて様子を見ていきます。

機能性ディスペプシアにおすすめの養生法

機能性ディスペプシアに対しては、漢方薬で胃腸の働きを回復する手助けを行うだけでなく、悪化する要因を避けて普段から胃腸をいたわるような生活を心がけることも大切になります。

  • ・よく噛んで、ゆっくりと食事を摂る
  • ・満腹は避け、腹八分目を意識する
  • ・食事は少量ずつ、食べる回数を増やす
  • ・食後は30分程度休む
  • ・寝る直前は食事を控える
  • ・脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものを控える
  • ・仕事や予定を詰めすぎない
  • ・ゆっくりと過ごす日を作る
  • ・日付が変わる前に寝る
  • ・お酒やたばこは控える
  • ・ウォーキングやお散歩など軽い運動をする

養生を意識しすぎてストレスになることもありますので、できる範囲でひとつずつ取り入れてみてはいかがでしょうか?

機能性ディスペプシアと漢方のまとめ

食事は栄養を摂取して健康を保つだけでなく、美味しいものを食べることで心の豊かさや満足感が得られたり、人間関係やコミュニケーションを育んだりすることができる行動です。

ですが、機能性ディスペプシアによって家族や友人との食事も楽しめず、食事の時間が苦痛となることもあるかと思います。

病院で胃腸のお薬を服用していてもなかなか改善しない、病院の漢方薬以外も試してみたいと考えられている方は、一度漢方相談をされてみてはいかがでしょうか?

今井 太郎(漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師)

執筆者:今井 太郎

漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師

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