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めまいと漢方について

めまいは、からだのバランス(平衡感覚)をとる仕組みに異常が起こることで起こります。

memai3めまいは、漢方薬局では非常に多い相談の一つです。

「疲れたり、天気が悪いとめまいが出やすい」
「検査しても異常がないのに、めまいが続く」
「このまま薬を飲み続けた方がよいものか…??」

などのお悩みの方が多くいらっしゃるようです。

漢方で、めまいの原因は「水の巡り」、「気血の消耗」、「神経の高ぶり」などで考えることが多いです。

めまいの原因

めまいは主に『脳・耳・自律神経』の異常で起こると言われています。

memai2からだのバランスを保つための情報は、目・耳・全身で受け取られた後、脳に送られ、脳がその情報を整理して各からだの部位に安定した姿勢を保つよう指令を出します。この一連のネットワークに何らかの支障が起こると「めまい」があらわれます。

①  脳の異常によるめまい
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍などが疑われる場合があります。症状が進行すると、めまいの他に、しゃべりにくい、物が二重に見える、口の周りがしびれるなどの症状もあらわれます。あまり多い例ではありませんが、命に関わるため、早めに受診する必要があります。

②  耳の異常によるめまい
検査で脳の異常が疑われない場合、次に疑われるのが耳の異常によるめまいです。耳鳴り・難聴などの聴覚の異常を伴うことが多く、代表的な病気にメニエール病や突発性難聴、良性発作性頭位めまい症などがあります。

③  自律神経の異常によるめまい
子どもや若い女性に多い起立性低血圧など、いわゆる『立ちくらみ』と言われるようなクラクラした症状は、自律神経の乱れや、貧血などの全身的な病気で起こりやすい症状です。

その他、循環器系のトラブル(高血圧・低血圧・不整脈・高脂血症など)によるめまいや、首の異常によるめまいもあります。

めまいの症状はおもに“ぐるぐる”と“ふわふわ”

めまいの症状には、おもに『回転性のめまい』と『非回転性のめまい』があります。
耳や脳の異常で起こりやすいめまいです。

回転性のめまいは、『ぐるぐると目が回った感じ、景色が横に動く』などと表現されるめまいです。おもに、耳(内耳)の前庭にある三半規管に問題があると考えます。

非回転性のめまいは、『足が地につかずフワフワする、船酔いした感じ』などと表現されるめまいです。おもに、前庭器官や、中枢神経に問題があると考えます。

 

めまいを漢方で考えると?

漢方では、めまいの原因として次のようなことが考えられます。

①  水の巡りが滞る『痰濁中阻(たんだくちゅうそ)』のめまい

温胆湯胃腸が弱かったり、お酒や脂っこい食事や過量の水分を好んでとっていると、血中に痰濁(=悪いもの)がたまり、頭や体全体が重だるい、胃がムカムカする、舌苔が厚い、などの症状が現れやすくなります。

漢方薬では半夏白朮天麻湯、温胆湯など、痰濁を取り除くようなものを用います。

② 気血が消耗、脳への栄養が不足している『気血不足』のめまい

婦宝当帰膠普段から疲れやすい、不眠、胃腸虚弱、食欲不振や食事でとった栄養をエネルギーにできない人が多いのが特徴です。貧血気味の女性や高齢者に多くみられます。

胃腸の弱い方は、天気に左右されやすい方が多いです。雨の降る(低気圧、台風)前後、湿気の多くなる時期、暑い時期、寒い時期などそれぞれ体質の弱い部分に症状が出やすいようです。

漢方薬では帰脾湯、補中益気湯、婦宝当帰膠など、良質な気血を補い、胃腸を整え、精神を落ち着かせるようなものを用います。

 

③ 交感神経が高ぶる『肝陽上亢(かんようじょうこう)』のめまい

怒りっぽい、熱っぽく赤ら顔、目が充血しやすい、頭痛、血圧が高い、不眠、口が苦いなどの症状を併せ持つことが多いのが特徴です。

陰分(=体に必要な潤い)が不足しているため、内熱を生じ、頭部に内風(体の中の風)が起こり、めまいが起こりやすくなると考えます。

漢方薬では、釣藤散、瀉火利湿顆粒、中国では天麻鈎藤飲など、体の内部にこもった熱をとりながら、頭部の内風を抑えるようなものを用います。

 

④ 加齢に伴う『腎精不足』のめまい

杞菊地黄丸ホルモンバランスの乱れ、足腰のだるさ、喉の渇き、物忘れ、精力の減退など、加齢とともに現れるこれらの症状は、腎精(体のエネルギーの源)の不足した状態により起こりやすい症状です。また、普段より過労が続いたり、長い間病気を患った人など、年齢が若くても腎精不足になります。

腎精不足=脳の栄養不足であることから、めまいや耳鳴りの一因となります。

漢方薬では「腎」を補う杞菊地黄丸や八味地黄丸をベースにした処方などを用います。

 

また、上記のタイプの根底には、ストレスなどによる気血の流れが滞る状態=『気滞血瘀(きたいけつお)』が非常に多く、漢方薬では冠元顆粒や血府逐瘀丸などを併用することもあります。

めまいの原因と漢方薬にはたくさんの種類があり、症状と体質により、正しい漢方薬を選ぶ必要があります。

 

一般的なめまい(眩暈)の治療法

現代医学では、メニエール病や良性発作性頭位めまい症、突発性難聴などの、耳の異常で起こるめまいは、耳の水ぶくれ(内耳のリンパ液の増加)によりリンパ液のバランスが崩れることや、はがれた耳石(内耳の器官の一部)が浮遊すること、脳への血液循環に障害が起きることなどが影響すると考えます。

治療薬として、内耳の水抜きの働きをする利尿剤や神経伝達をよくする薬、血液循環を改善する薬、ビタミン剤など、まためまいを一時的に抑える対処療法薬として、抗めまい薬や吐き気止め、抗不安薬などを使用します。

 

めまいと漢方のまとめ

めまいの起こる原因は様々ですが、日々の規則正しい生活習慣がめまいを予防し、また治療を早めることにつながります。

特に、良質な睡眠は一日の疲れを取り、体力を回復し、巡りをよくしてくれるので、とても重要です!!

普段から胃腸をいたわるお食事をとり、ストレス発散し、良質な睡眠をとる、これこそが最高の薬です。

めまいの漢方は、ご自分で判断してお薬を服用するよりも、漢方に詳しい薬局などに相談されるのをおすすめいたします。

今井 太郎(漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師)

執筆者:今井 太郎

漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師

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