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咳が長引く場合の漢方対処法

咳が長引くのはなぜ?

咳気温がぐっと下がり、空気が乾燥するこの時期、咳が長引く方のご相談が増えてきます。

  • “かぜをひいたあと咳だけが残ってしまって困っている”
  • “車内などで咳が続くと周りに迷惑をかけていないかと気にしてしまう”
  • “夜中の咳き込みがつらくて眠れない”
  • “レントゲンでは異常ないけれど・・・”

など、原因がはっきりせず、咳が長引いてしまっている方が多いようです。

一般的には、長引く咳に対して、西洋薬の咳止めで咳を抑えることが多いです。しかし、一時は咳が止まってよくなった気になりますが、再発してしまうことも多く見受けられます。

本来、咳は肺に入った異物を追い出すためのからだの防衛反応ですので、薬で抑えてしまうと、かえって咳を長引かせることにもなりかねません。

漢方では、咳を抑えるだけではなく、『肺の機能を高めて咳を鎮める』ことも考えます。

長期にわたる咳は、体力を消耗させ肺の機能をも低下させるため、弱くなった肺の回復力を高めることが、長引く咳を根本的に改善することになります。

長引く咳 漢方では?

咳漢方では、咳を原因によって「外感(がいかん)の咳」と「内傷(ないしょう)の咳」に分けて考えます。

外感の咳は、冷気や乾燥した空気など、外からの刺激によって呼吸器がダメージを受けて出る咳です。

一方、内傷の咳は、体の中で起こった病気の原因(疲労やストレス、臓器の機能低下など)が、肺に悪さをしたことによって起こります。

長引く咳のほとんどは、内傷の咳です。
漢方は、肺の機能を調節し体質部分から見直していくため、内傷の咳に対してよく効いてくれます。

長引く咳の原因と漢方

漢方薬でも、麻黄(エフェドリン)が配合された小青竜湯や麻杏甘石湯などの気管支の痙攣を鎮めるものや、潤肺糖漿など乾燥した肺に潤いを与え肺の熱をとるものなど、外感の影響などで起こる一時的な激しい咳き込みやしつこい咳に対して用いるものもあります。

長引く慢性化した咳の改善には、肺だけでなく、からだ全体の失調を整えていくことが必要となります。

長引く咳の原因としておもに次のことが考えられます。

① 肺が消耗し潤いが不足した『肺陰虚(はいいんきょ)』による長引く咳

潤肺糖漿漢方では、『肺は潤いを好み、乾燥を嫌う臓器』といわれます。肺が潤いを失った状態では、空咳や痰の少ない乾いた咳が長く続く症状がみられます。

漢方薬では、肺を潤し機能を回復させる、潤肺糖漿や麦門冬湯、百潤露養陰・潤肺などの漢方をよく用います。

② 腎の納気のはたらきが低下した『腎虚(じんきょ)』による長引く咳

双料参茸丸通常、肺で吸入した気は納気のはたらきで“腎”に納められます。

加齢や過労、体力の消耗などで“腎”が低下すると、納気のはたらきも弱くなり、呼吸が浅く気が逆上して長期にわたる咳や繰り返す咳の原因となります。

漢方薬では、八仙丸や冬虫夏草やゴウガイ(オオヤモリ)などの動物生薬を使った双料参茸丸など、腎の納気を助け、肺の回復力を高めるものを用います。

③ 自律神経が乱れた『気逆(きぎゃく)』による長引く咳

平喘顆粒長期にわたるストレスなどで自律神経のバランスが崩れると、肺の機能も乱れ、肺気の流れが乱れて逆上し、出始めると止まらない咳や長引く咳になることがあります。

また、気の巡りの乱れにより咳や喉のつかえ感を感じることもあります。

漢方薬では、気を下ろす生薬を配合した平喘顆粒などの降気のはたらきのあるものや、気の巡りを整える柴朴湯などを用います。

④ 水分代謝の低下で生じた『痰湿(たんしつ)』による長引く咳

咳が長期化してくると、体力も消耗され、脾胃(胃腸)の消化吸収力が低下し水分代謝もよくない状態になります。からだに溜まった余分な水湿は、停滞して痰となり、肺気の流れを阻止して咳の原因となります。

漢方薬では、胃腸を整え、痰湿を除去する温胆湯や半夏厚朴湯などの化痰の漢方を用います。

長引く咳を改善するために

長期にわたる咳は、体力も消耗しご本人にとっては辛い症状です。一回の咳で何カロリーか消費するとも言われます。

一時的に咳を抑えるだけではなく、漢方で肺を強化し回復力を高めることで、長引く咳が改善したり、繰り返していた咳の再発を予防することも大切です。

漢方の得意とする、からだ全体のバランスを整えることも長引く咳の改善にはとても大切なことです。

また、普段から肺を潤しいたわる食材(梨、百合根、枇杷、大根、杏仁豆腐、はちみつなど)を上手に活用してもよいですね。

長引く咳でお悩みでしたらぜひご相談ください。

今井 太郎(漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師)

執筆者:今井 太郎

漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師

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