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足のつり(こむら返り)

足のつり(こむら返り)と漢方について

足のつりと芍薬甘草湯

足のつり(こむらがえり)は、夜寝ているときや起床時、伸びをしたとき、運動中など日常的によくみられる症状です。

この足のつりに有名な漢方薬が芍薬甘草湯です。“足のつりといえば芍薬甘草湯”ともいわれるくらいよく知られた漢方薬です。

最近では、トライアスロン選手の方にも芍薬甘草湯は活用されているそうです。比較的即効性があり、運動中や登山時のつらい足のつりや痙攣、痛みが素早くとれることがよくあります。

芍薬甘草湯は、中国の医学書『傷寒論』の中で「去杖湯」という別名をもち、“芍薬甘草湯を飲むと杖をついていた人の杖が要らなくなる”と書かれています。

昔から足のつりや痙攣、筋肉の痛みに対して効果があるといわれています。

足がつるの原因とは?

足のつりは、誰にでも起こりうる症状なのですが、高齢の方や妊娠している方では比較的起こりやすいです。西洋医学では、足のつりのおもな原因として次の4つを考えます。

① 筋肉の疲労によるふくらはぎの筋肉(腓腹筋)の痙攣
② 水分やミネラル(Ca、Mg、Kなど)不足
③ 血行不良
④ 冷え

芍薬甘草湯は、筋肉の痙攣を和らげ、一時的に症状を緩和する漢方薬です。

漢方では、芍薬甘草湯を服用しても効果が分かりにくい場合や繰り返し起こる足のつりに対して、根本原因となっている体質部分を見直すことでよくなることがあります。

漢方的には、筋肉は五臓の『肝』と関係が深く、また筋肉の栄養となる『血』の状態なども足のつりに影響すると考えます。

足のつりを漢方で考えると?

通常、筋肉がスムーズに動くためには血液の栄養(肝血)が必要です。

日頃からストレスが溜まっていたり、胃腸のはたらきが低下していると、十分な肝血が筋肉に運ばれず、筋肉が栄養失調状態(肝血虚)となり足がつると考えられます。

また、冷えなどで血行不良(瘀血)の状態が続くと、筋肉の代謝も乏しくなり足のつりや痛みが起こりやすくなります。

これらの根本原因を見直し改善することで、足のつりが繰り返し起こりにくくなることもあります。

漢方では、足のつりの原因として次のようなことが考えられます。

① 筋肉への栄養が不足した『肝血虚(かんけっきょ)』

普段から足がつりやすい方は、筋肉への滋養が不足していることが多くみられます。
漢方薬では良質な血を補う婦宝当帰膠や十全大補湯などの補血剤を用います。目がぴくぴく痙攣する方も同じ原因と考えられます。

② 筋肉の血行がよくない『瘀血(おけつ)』

冷えや痛みの症状が起こりやすく足がつりやすい方に多いのが、血行不良で筋肉の代謝が乏しい状態です。漢方薬では、冠元顆粒、芎帰調血飲など血を巡らせ代謝を高める活血薬を用います。

これらの漢方薬を続けながら、万が一、足がつってしまった緊急時には、芍薬甘草湯を頓服(症状が起こった時に服用する)するのもよいでしょう。

足のつりでお困りの方、芍薬甘草湯を服用しても足のつりを繰り返している方は、ぜひ一度漢方専門の薬局でご相談されてはいかがでしょうか。

今井 太郎(漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師)

執筆者:今井 太郎

漢方の後楽堂薬局 薬剤師/薬学博士[Doctor of Pharmacy]/国際中医師

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